H8開発環境の構築 -Linux版- 続編

ここではH8のモニタプログラムと通信するためのターミナルソフトとして定番のC-Kermitの説明を行ないます。
そしてもう1つオマケとして、僕が遭遇してしまったElecom製USB-Serial変換ケーブルのトラブルについて書きます。

ターミナルソフト:C-Kermit

(1) C-Kermitの入手

僕の場合、最初から入っていましたが(kermitコマンドで確認)、もし"command not found"となるようでしたら、まずはC-Kermitを入手します。

続いてアーカイブの展開をします。


$ mkdir kermit211   # 展開する先のディレクトリを作成
$ cd kermit
$ tar zxvf cku211.tar.gz

ソースがべたに展開されるので、予めディレクトリを作っておく必要があります。

(2) ビルド&インストール

kermitにはconfigure scriptがありませんでした。makefileを適当に編集し、"make linux"とします。


$ make linux
# make install

(3) 設定

makefileで指定したINFODIRにインストールしたckermit.iniとckermod.iniをそれぞれ~/.kermrcと~/.mykermrcに変更。.mykermrcのみ編集します(と言うかこの.mykermrcはサンプルなので、各自これを参考に適当な.mykermrcを作ります)。
ここでは機械研作成のモニタプログラム用に設定した例を示します。


set line /dev/ttyS0     ;Using line "/dev/ttyS0"
set serial 8N1          ;Data is 8bit, Parity is none, and Stop bit is 1bit.
set speed 57600         ;RS-232 speed is 57600bps
set carrier-watch off
set transmit prompt 0

set line /dev/ttyS0のところは、環境のシリアル端子に合わせて/dev/ttyS0を変えて下さい。
carrier-watch offがないとエラーが出ます。また、transmit prompt 0はファイル転送時にackを待たずにデータを送るという設定です。モニタプログラムではただ待っているだけなので、この設定が無ければファイル転送のときに先に進みません。

(4) 使いかた

起動は"kermit"と打ってください


$ kermit

ターミナルモード(モニタプログラムからのデータを表示し、コマンドを送るモード)にするにはkermitモード(起動時のモード)で"c"を打ちます。ターミナルモードを抜けるには"C-\" "c"を順に打ちます。

ファイルを転送するときはkermitモードに戻って"transmit"コマンドを打ちます。


(/home/nabe/) C-Kermit>transmit hoge.mot

オマケ Elecom製USB-Serial変換ケーブル

僕のパソコンにはシリアルポートが無いためUSB-Serial変換ケーブルを使っていますが、実はElecom製のものにはちょっとした落し穴があります。それはS/N(シリアルナンバ)の末尾がD以降のものは従来のPL2303というチップに代ってPL2303Xが使われるようになりました。そのためProduct IDが0x5003から0x5004ヘと変わり、kernel-2.6.6-4.435.2.3の時点ではドライバを認識しなくなりました。
大まかな所は変わっていないようなので、kernel sourceにあるpl2303.hを書き変えてkernel再構築をしてやれば(会員日記:2004年10月9日参照)、何とか使えるようになります。
ただし今のところ解っている問題点は2つ。


文責:なべ(渡辺 直樹)



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