Linux上でH8の開発を行ないたければ、秋月のキット付属のソフトウェアは使えません。やはり自力で開発環境を調える必要があります。
ここでは僕(なべ)が、自分の経験を元にLinux上でのH8開発環境の構築方法を書き記しています。ちなみのC言語ライブラリにnewlibを用いています。
なお前提条件として、今からH8開発環境を構築しようとしているLinux上では、コンピュータ用のgcc,make等開発ツールは揃っているものとします。
#また、cygwin上でも最新のH8用gccを使いたいんじゃーという方も、この文章を参考にして頂けたら助けになれると思います。
まず必要なツールのソースをダウンロードします。今回使用したヴァージョンはgcc-3.4.1 + binutils-2.15 + newlib-1.12.0です。
これらのファイルを適当なディレクトリ(e.g.ホームディレクトリ)に置いて展開します。
$ tar zxvf binutils-2.15.tar.gz $ tar zxvf gcc-3.4.1.tar.gz $ tar zxvf newlib-1.12.0.tar.gz
次はダウンロードしてきたソースをコンパイルして、システムにインストールします(ここでは/usr/local)。
ちなみに僕の環境の場合(celeron2.4GHz)、全て終るのに約3時間かかりました。まぁその間ずっとpysolで遊んでいたので、他に何もしないで放置すればもう少し早く終るかも知れません。
binutilsのソースを展開後に以下の操作を実行。ここではbinutilsのソースの展開先を/home/nabe/binutils-2.15としています。
$ cd /home/nabe/binutils-2.15 $ mkdir BUILD $ cd BUILD $ ../configure --target=h8300-hms --prefix=/usr/local $ make # make install
gccのソースを展開後に以下の操作を実行。ここではgcc,newlibのソースの展開先を/home/nabe/gcc-3.4.1と/home/nabe/newlib-1.12.0としています。なお、ここではCだけではなくC++コンパイラもビルドするようにしています。
$ cd /home/nabe/gcc-3.4.1 $ mkdir BUILD $ cd BUILD $ ../configure --target=h8300-hms --enable-languages="c++" --with-newlib --with-headers=/home/nabe/newlib-1.12.0/newlib/libc/include --prefix=/usr/local $ make LANGUAGES="c c++" # make install
newlibのソースを展開後に以下の操作を実行。
$ cd /home/nabe/newlib-1.12.0 $ mkdir BUILD $ cd BUILD $ ../configure --target=h8300-hms --prefix=/usr/local $ make # make install
これで開発環境のインストールは終了です。お疲れ様でした。
書き込みプログラムも必要なので、windows環境でも用いた、みついわゆきおさんのページにあるOpen SH/H8 writerを使わせてもらいます。/usr/local/binに置いておくと良いでしょう。
文責:なべ(渡辺 直樹)